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[プレスリリース]ゲノム重複が食虫植物の進化を牽引 〜モウセンゴケ科に属するコモウセンゴケ、ハエトリソウ、ムジナモの3種の ゲノム解読により判明〜
食虫植物は葉で小動物を誘引、捕獲、消化、吸収し、栄養としています。このため、他の植物が生育できないような貧栄養地で生育することが可能です。食虫植物は植物の進化の中で、9回独立に進化したと推定されており、世界に約600種が知られています。基礎生物学研究所および総合研究大学院大学の長谷部光泰教授らを中心とした研究グループでは、2017年に壺型の捕虫葉を形成するフクロユキノシタのゲノムを解読し、消化酵素は耐病性遺伝子から進化した可能性が高いことを発表しました。しかし、耐病性遺伝子がどのようにして消化酵素へと進化できたのかは不明でした。今回、ゲルゴ パルファルビ大学院生、長谷部光泰教授らは、金沢大学西山智明助教、宇都宮大学玉田洋介准教授、およびヴュルツブルク大学(ドイツ)ライナー ヘドリッヒ教授などとの共同研究により、フクロユキノシタとは別の科であるモウセンゴケ科に含まれる、コモウセンゴケ、ハエトリソウ、ムジナモの3種のゲノム解読を行いました。その結果、モウセンゴケ科の祖先で全ての遺伝子がゲノム重複によって倍に増え、増えた遺伝子が消化酵素に加え、誘引、捕獲、吸収に関わる機能を進化させた可能性が高いことがわかりました。この成果は米国東部時間2020年5月14日付でCurrent Biology誌に掲載されます。
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【問合せ先】
宇都宮大学工学部
准教授 玉田 洋介(たまだ ようすけ)
E-mail: tamada※cc.utsunomiya-u.ac.jp
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