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教育 研究

池田学長が今年のノーベル医学・生理学賞受賞者の研究に言及しています

 本年4月3日に挙行した入学式の学長式辞において、本年ノーベル医学・生理学賞を受賞したデビッド・ジュリアス氏の研究に触れています。

 2021年ノーベル医学・生理学賞は、温度や痛みを感じる仕組みの研究で成果をあげたデビッド・ジュリアス氏が受賞しました。唐辛子の辛み成分「カプサイシン」を使い、皮膚の神経で熱に反応する仕組みを解明しています。

学長式辞(一部抜粋)

 『本学では、「文理融合」の取組みを進めていますが、大事なことは、いわゆる「文系」と「理系」、それぞれの考え方や方法に触れ、多様で幅の広い「文理複眼」という視点を持つことです。世の中のことは全て繋がっています。それを理解する、把握する、つまり「文理複眼」です。
 一例ですが、英語の「hot」という単語がありますね。これには様々な意味があります。思いつくまま、挙げてみてください。温度が高いという意味の熱い、気温が高いという意味の暑い、hot newsの場合は新しいという意味、これは、料理の出来立てのほやほやは熱い、というところからきています。また、激しいという意味もありますが、これも、激しく運動すると熱くなる、というところからきています。逆に落ち着いていることをcoolといいますよね。さて、このような熱や温度に関係する意味とは別にhotという単語には「辛い」という意味もあります。hot chili pepperなんてありますね。熱いと辛い、関係があるのでしょうか? 実は、人間が「辛い」と感じるセンサー受容体たんぱく質というものがありますが、これと、「熱い」と熱を感じるセンサー受容体たんぱく質は同じものだということが生物学的に分かりました。つまり、人間が熱を感じる機能と辛いと感じる機能は同じだ、ということです。したがって、hotという英単語に、熱いと辛いという意味があるのは、生物学的にも正しい、ということになります。語学と生物学がここで実は繋がっている、ということになります。
 繰り返しになりますが、文理の枠を越えた幅の広い学びをすることで、複眼的な視点を身に付けてください。自らの学びの幅を広げ、社会で活躍するために重要です。』



 学生の皆さんは、最先端科学にも広くアンテナを巡らせ、学問への理解を深めていってください。




【関連リンク】
令和3年度宇都宮大学入学式 式辞 21.4.5掲載
広報誌UUnow52号 21.4.20発行