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[プレスリリース]親水性チロシナーゼ阻害剤の開発に成功 ― 酵素的褐変の効率的制御が可能に―

 チロシナーゼは、自然界における着色現象に関わる酵素です。その酵素を阻害することは、皮膚の光老化防止、食品の褐変抑制および微生物の感染阻止などにつながります。
 宇都宮大学農学部応用生命化学科の二瓶賢一教授は、東京農工大学大学院連合農学研究科の石岡和佳奈(博士課程2年)とチロシナーゼの効率的な制御を目的に、阻害剤の開発に関する研究を行ってきました。
 その結果、市販のチロシナーゼ阻害剤であるコウジ酸と比較して、約30倍の強い活性を示す新しい化合物群の開発に成功しました。それらの阻害剤には、グルコースなどの親水性の構造が含まれており,水に溶けやすいように工夫されています。
 コウジ酸は、美白有効成分として化粧品などに利用されています。これらの成果は、今後の機能性化粧品、食品褐変防止剤および感染阻害剤の開発に大いに貢献できると期待されます。
 本成果は、7月6日、学術誌「Journal of Molecular Structure」に掲載されました(オンライン版で公開されています)。
 なお、本研究は、科学研究費助成事業および宇都宮大学ヤングイノベーションスカラーシップ研究グラントからの補助と、核磁気共鳴装置(400 MHz)の使用により、推進されました。

予測図の画像

チロシナーゼと本研究で開発した親水性阻害剤との結合の予測図


PDF版はこちらをご覧ください。

<担当・問合せ先>
農学部 二瓶 賢一 教授
TEL:028-649-5412
E-mail:nihei98※cc.utsunomiya-u.ac.jp
(※を半角@に置き換えてください)